ペンギン・ダイアリー

小学生男子の学びと遊び、ワーママの記録

【読書】シリーズ本という金脈(低学年の読書)

保育園時代の子どもは、絵本や読み聞かせにあまり興味を示しませんでした。それよりもブロックなどのおもちゃがが好きで、ひとりでもくもくと遊んでいましたので、ラクでいいな~と見守っていました。(読み聞かせって親の忍耐が必要ですよね)

それでも小学校に入学してから、やはり本は読んだ方が良いと私が思い直し、図書館に通い、本を購入し、遅ればせながら読書を推奨してきました。そして気づいたのが、本が面白ければ子どもは読むということ!それはそう! 

面白くて子どもが気に入り、文字の大きさ・長さや挿絵の多さが低学年にちょうどよい本を見つけるのはなかなか大変ですが、ちょうどいいシリーズものを見つけると、しばらくは読む本に困りません。私はそのようなシリーズものを「金脈」と呼んでいます。今回はうちの子(小2男子)にとっての金脈をご紹介します。

 

かいけつゾロリ』 作・絵:原ゆたか

イシシとノシシはホクロで見分けるそうです。

言わずと知れた児童文学の金字塔、クラシックにして現役のレジェンド、それが『かいけつゾロリ』シリーズです。ポプラ社の公式サイトには「1987年の刊行から30年以上、年2冊を刊行し続け…」とあります。すごすぎる。2023年3月現在で72巻まで出ているようです。

私は大人になってから初めて読んだのですが、ゾロリはいたずらの天才で、優しくも頭が切れる、ややダーティーなヒーローなんですね。キャッチーで読みやすく、ワクワクする展開で、ダジャレあり、おならありで小学生に人気なのも納得の面白さです。

子どもは1年生の夏休みに、学童でゾロリを読み漁っていたようです。ゾロリの本を買うと既刊本一覧が載っている紙がついてきたので、読んだものにチェックを入れていました。そして子どもは、ゾロリで結構知識を得ているようです。世界三大珍味って知ってる?という話をしていたら、「トリュフは知ってるよ。ゾロリに出てきた。でもゾロリたちは毒きのこを食べちゃってた」と言っていました。

 

『キャベたまたんてい』 作:三田村信之 絵:宮本えつよし

表紙で汗をかきがち

キャベツのキャベたまたんていと、ゆかいな仲間たち(トマトちゃん、じゃがバタくん、ダイコンけいぶ、カボチャはかせ)が活躍する『キャベたまたんてい』シリーズ。宮本えつよしさんのサイトによれば、1998年から刊行されており、2023年3月現在、24巻まで出ているようです。

キャベたまたんていの住む町は住人も建物も野菜で、宇宙船に乗ってたこ焼きの星にいくなどファンタジー要素があり、そしてその名に違わず探偵読み物の要素もあります。クライマックスにはキャベたまたんていがキャベツの葉を飛ばします。おしりたんていでいうところのおならです。

字がとにかく大きくて挿絵がたくさんあり、表紙の裏などに迷路やパズルのページもあります。ぱっと見では分厚いのですが、本当に字が大きいので、低学年の子でも読みやすく、分厚い本を読み切れるという自信になるのではないでしょうか。

 

『ミルキー杉山のあなたも名探偵』 作:杉山亮 絵:中川大輔

パイナップルのおじさん

こちらでは魚を食べています


探偵のミルキー杉山が、子どもたちや奥さん、仲間の探偵たちといろいろな事件を解決する『ミルキー杉山のあなたも名探偵』シリーズ。怪盗ムッシュミス・ラビットなど、敵キャラも魅力的です。私も子どもの頃に大好きで読んでいました。偕成社の公式サイトによれば、2022年でシリーズ刊行30周年、2023年3月時点で22巻出ています。

このシリーズの特徴は、「事件編」と「解決編」に分かれていることです(本格推理小説!)。解決に必要なヒントはすべて「事件編」で示されており、さらにミルキーはのんびりしていてポンコツ気味な探偵なので、よく読んで挿絵もチェックすれば、小学生の子でもミルキーより先に謎を解くことができるかもしれません。一冊に2~3つの短いお話が収められているので、夜寝る前に1話だけ読むなど、キリよく読めます。

ミルキーと妻のたつ子はわけあって離れて暮らしているという設定、パイナップルを持っているおじさんやラーメンを食べている犬など頻出する謎のモブキャラ等、ディティールも楽しめます。ミルキーシリーズに詳しくなってきたら、ファンブック的な『ミルキー杉山のあなたも名探偵ガイドブック』も読んでほしいです。子どもは「これはあの巻のあの話に出てきたお宝だよ」等と覚えていました。

 

『なん者・にん者・ぬん者』 作:斉藤洋 絵:大沢幸子

使える術が少ない初期ひなた丸

戦国自体を舞台に、忍者見習いの「なん者」ひなた丸が活躍する『なん者・にん者・ぬん者』シリーズ。全15巻で完結しています。作者の斉藤洋さんは『ルドルフとイッパイアッテナ』などで有名ですね。

なん者が一人前になると「にん者」になり、さらに忍術を極めると「ぬん者」になります。1巻の最初では、ひなた丸は素早くねこの着ぐるみに着替える「ねことんの術」しか使えないのですが、巻を重ねるごとに使える忍術が増えて成長していきます。ことば遊びや繰り返しが楽しく、ひなた丸が忍術と機転でピンチを切り抜けるところがハラハラドキドキで、続きが読みたくなる作品です。時代物なので、「さよう」「お代官さま」「関所」など、普段の生活やメディアではあまり触れない言葉や言い回しが出てくるのも面白いのではないかと思います。

私が子どもの頃に大好きで読んでいたのですが、子どもも気に入ってくれたので嬉しいです。上に挙げた3つのシリーズと比べると字が小さくて多く、挿絵もやや少ないので、ひとりですらすら読めるのは中学年くらいかもしれません。我が家は私が読み聞かせをしています(なかなか大変です!)。

 

おわりに

字の大きさ・挿絵の多さ・話の長さなど、読みやすさで順序をつけると

キャベたまたんてい>ミルキー杉山≧かいけつゾロリ>>ひなた丸

だと思います。

それにしても、自分が子どもの頃に読んでいたシリーズを子どもも気に入って読んでいる様子を見ると、嬉しい~子育て最高~!と思いますね。逆に私が知らない面白い本を子どもが図書室で借りてくるのも面白いです。

お気に入りのシリーズを読み進めたら、次は同じ作者の別の本や、同じ出版社の別のシリーズなどをたどれば、新しいお気に入りを見つけられるのではないかと思います。私も金脈はまだまだ探しており、子ども成長と共に選択肢も広がるし、図書館で見かけて気になっているけどまだ読んでいないシリーズもあるので、色々開拓していきたいです。